もず・ふるいちこふんぐん こどもQ&A

古墳時代って「鉄の時代」?

答え 古墳時代の中ごろの古墳からは、副葬品(ふくそうひん)として大量の鉄製品が出土しています。
なかには、人は葬(ほうむ)られず大量の鉄製品だけが納(おさ)められていることもあり、代表的な古墳には、野中古墳やアリ山古墳、西墓山古墳(いずれも、大阪府藤井寺市)があります。
当時、鉄そのものは日本で生産されていなかったので、朝鮮半島などから輸入していました。鉄はとてもめずらしく貴重なものでした。
古墳にたくさんの鉄製の刀や剣、よろいやかぶとなどが埋められていることは、お墓に葬られている大王の軍事的な力を示したのでは? とか、埋葬セレモニーの一種だったのでは? と考えられています。
いずれにしても、大王にとって重要なことだったんでしょうね。
かぶとやよろいが発見されたときの様子写真左:かぶとやよろいが発見されたときの様子(野中古墳)
写真右:修復されたかぶとやよろい(野中古墳)
※いずれも大阪大学考古学研究室提供
修復されたかぶとやよろい

身近なものにも鉄の影響があったの??

答え古墳時代の中ごろ、朝鮮半島(ちょうせんはんとう)からたくさんの新しい技術が伝わりました。
たとえば、須恵器(すえき)という土器や、刀や剣、よろいやかぶと、馬具などをつくる技術です。その中には、鉄製の農具についての新しい技術もありました。
たとえば、すきやくわは、弥生時代(やよいじだい)から使われていた「方形(ほうがた)」と別に、「U字形(ゆーじがた)」が登場します。
「方形」は鉄板のはしを折り曲げて木の部分をつつんでいましたが、「U字形」の技術が入ってきて、木に鉄をはめ込むことができるようになり、「方形」よりとても頑丈になりました。
だから、山を切り開いたり、田畑をたがやしたり、古墳をつくったりするスピードがとても速くなったと考えられています。
「U字形」は今のすきやくわの刃先にもつうじていて、なんと、約1500年もの間、ほとんど形を変えずに使われ続けました。
また、鎌(かま)も、刃がまっすぐな「直刃鎌(ちょくじんがま)」から、刃の一部が曲がっている「曲刃鎌(きょくじんがま)」に変化し、イネを根元から刈ることができるようになりました。
この頃、馬の飼育が始まり、馬の寝床や食べ物として藁(わら)が必要になったためでは?と考えられています。
鎌でイネを刈る様子
農具のうつりかわり このころの農具がのちの時代に大きな影響を与えたんだね!