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日本にはどんな古墳があるの?

日本には、北は岩手県から南は鹿児島県まで、全国に数多くの古墳があり、その数は16万基をこえると言われています(これは現在の日本のコンビニ(約58000件)よりも多い数です)。なかには百舌鳥・古市古墳群で見られるような前方後円墳・円墳・方墳・帆立貝形墳にあてはまらない、特徴的な形をしたものもたくさんあります。このページでは、日本の古墳のうち、有名なものをいくつか紹介します。みんなも家の近くの古墳を探して、実際に行ってみましょう。

このページでしょうかいする古墳の場所

このページでしょうかいする古墳の場所

いろんな場所にいろんな種類の古墳があるんだね!

埼玉古墳群(さきたまこふんぐん)(埼玉県)

埼玉県にある古墳群で、歴史公園としてきれいに整備されています。このうち、5世紀(1600 年ほど前) の後半に造られた前方後円墳の稲荷山古墳(いなりやまこふん)からは、古墳時代ではとてもめずらしい、文字の刻まれた鉄剣(てっけん)が見つかっていて、その文章からは、この地域を治めた有力者が百舌鳥・古市古墳群が築かれた時代の大王とつながっていたことが分かります。

左:埼玉古墳群 右:稲荷山古墳出土鉄剣

左)埼玉古墳群(提供:埼玉県立さきたま史跡の博物館)
右)稲荷山古墳出土鉄剣
(提供:埼玉県立さきたま史跡の博物館、国(文化庁保管))

黒塚古墳(くろづかこふん)(奈良県)

4世紀(1700 年ほど前)の初めに造られた前方後円墳で、日本の古墳の中でも、かなり古いものの1つです。竪穴式石室(たてあなしきせきしつ)からは、三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)という銅鏡が33面見つかりました(これは、日本で最も多い発見例です)。この三角縁神獣鏡は、倭国(わこく)(当時の日本の名前)の女王で、邪馬台国(やまたいこく)に住んでいた卑弥呼(ひみこ)が魏(ぎ)という当時中国にあった国からもらった品物だと考えられています。

黒塚古墳出土銅鏡

黒塚古墳出土銅鏡
(提供:奈良県立橿原考古学研究所、国(文化庁保管))

黒塚古墳の竪穴式石室(たてあなしきせきしつ)

黒塚古墳の竪穴式石室(たてあなしきせきしつ)
(提供:奈良県立橿原考古学研究所)

・石清尾山古墳群(いわせおやまこふんぐん)(香川県) ・石清尾山古墳群(いわせおやまこふんぐん)(香川県)

4世紀から5世紀にかけて造られた古墳群です。このうち、猫塚古墳(ねこづかこふん)は、しゃもじを2つ組み合わせたような面白い形をしており、双方中円墳(そうほうちゅうえんふん)と呼ばれます。また、古墳の作り方も特徴的で、普通の古墳が土を盛っているのに対して、石清尾山古墳群の古墳は石を積んで作った、積石塚(つみいしづか)と呼ばれるものが多くなっています。

石清尾山猫塚古墳の墳丘

石清尾山猫塚古墳の墳丘(提供:京都大学考古学研究室)

王塚古墳(おうづかこふん)(福岡県)

6世紀(1500 年ほど前)の中ごろに造られた前方後円墳です。最も注目できる点は、古墳時代の人々が横穴式石室(よこあなしきせきしつ)の中に描いた絵画です。カラフルな色づかいで、馬や盾(たて)、靫(ゆき)(矢を入れる入れ物)などが書かれています。このような古代の絵が描かれた古墳は、装飾古墳(そうしょくこふん)と呼ばれ、九州地方に多く見られます。

  • 王塚古墳の石室の様子(レプリカ)

    王塚古墳の石室の様子(レプリカ)
    (提供:王塚装飾古墳館)

  • 左:靫(ゆき)(矢を入れる入れ物) 右:靫を背負った人物埴輪

    左)靫(ゆき)(矢を入れる入れ物)
    右)靫を背負った人物埴輪
    (出展:ColBase https://colbase.nich.go.jp/)

ここまで見てきたような日本の古墳は、おとなりの中国や韓国の大昔のお墓と比べても、ふくざつな形をしています。これは、日本の古墳が単なるお墓ではなく、権力を示すための道具、そして、おまつりをするステージでもあったことと関係しています。

近く古墳に行ってみようかな